2022.03.18ホンダ S600 エンジンオーバーホール②
こんにちは、前回の続きをご紹介していきたいと思います。
今回は、シリンダーヘッド面の歪みの測定と調整、そして、タペットシムクリアランス測定と調整のご紹介をします。


まずは、シリンダーヘッドの歪みの測定です。
測定するには、ストレートエッジとシックネスゲージで測定していきます。
下の写真ですが、一目で分かるぐらい隙間があるのがみえます。


シックネスゲージで測定したところ、最大値0.09㎜の隙間がありました。
こちらのエンジンは、標準値の歪みは、0.03㎜以下となり、修正限度0.06㎜以上の歪みは、修正が必要となります。
測定では、0.09㎜なので、0.03㎜~0.06㎜以下まで目指して、高い部分を修正していきます。
上の写真は、修整後のシリンダーヘッドです。
0.03㎜~0.04㎜の基準値内になるまで修正しました。
続いて下の写真は、タペットアジャスターシムを調整するために、カム・クリアランス測定をしているところです。


クリアランス基準は、0.2±0.02㎜です。
クリアランス調整は、測定して、分解し、シム調整し、組付けて、測定して、を何回も繰り返しこの作業を8か所行いますが、非常に時間がかかります。
調整段階の写真を撮り忘れてしまいましたが、調整した結果は、基準値内の0.2㎜~0.22㎜となかなか良い調整ができました。
こちらで使用されていたピストンサイズですが、2mmのオーバーサイズピストンが使われていて、スリーブもそのサイズに合わせてボーリングしてあります。
このサイズですと、スリーブが薄くなってしまい、水温が時々上がってしまう可能性があります。


上の写真が2mmオーバーサイズピストンです。
なんと、こちらのオバーサイズのピストンリングが手にはいりませんでした。
ですので、なんとか仕入れる事が出来そうな純正サイズのピストンとスリーブに
取り替える方向に変更しました。つづく
本社 Mechanical Staff 鈴木